体罰最近のニュースより
育成とは人を育てること。
当たり前のことですが、指導の「やり方」によって、ずいぶん変わるのでは?と考えずにはいられません。
この記事は、スポーツ指導における「叱る文化」の問題点と、「苦痛神話」という考え方についての批判的分析を提供していて興味深い視点だと思います。
「苦痛を通じて成長する」という「苦痛神話」が根強く存在している
特にスポーツ界では、厳しさや叱責が成長に必要という考えが広がっている
この考え方が度を超えると体罰につながる危険性がある
実際には、楽しみながら自発的に困難に向き合うことこそが本当の成長につながる
大谷翔平選手や藤井聡太七冠などの成功例は、「苦痛」ではなく「楽しさ」から生まれている
この分析は非常に的確で、特に日本のスポーツ文化では長い間、「厳しさ=愛情」「苦しいから価値がある」という価値観が支配的でした。しかし近年の心理学や教育学の研究では、内発的動機(楽しさや興味から生まれる動機)が、外発的動機(罰や報酬による動機づけ)よりも持続的で深い学びをもたらすことが示されています。
大谷選手や藤井七冠の例は象徴的で、二人とも競技に対する純粋な愛と興味に基づいて活動していることが伝わってきます。彼らの指導者たちも、叱責よりも自発性を重んじる指導法を採用していたと聞きます。
「苦痛神話」を筋肉トレーニングの比喩で理解している点も興味深いです。筋肉は確かに負荷をかけることで成長しますが、人間の精神的・技術的成長はそれとは異なるメカニズムで起こります。むしろ安全で支持的な環境の中で、自分から挑戦できる状態のほうが学習効果は高いのです。
これからのスポーツ指導は、「叱る・厳しくする」から「導く・引き出す」方向へと変わっていくべきではないでしょうか。時代遅れの指導法が残る理由は、単に「自分もそうされてきた」という世代間連鎖や、変化を恐れる保守性にあるのかもしれません。
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